2010年12月19日日曜日

謎の人

家人が病院より帰宅した。
「どういう先生だった?」と、今後のために聞く。『よさそうな人だよ』
「年は?男?女?」
『年配なんだけど、それがどっちかわからないんだよね』
「は?そんなことってあるの?」「だって、話してきたんでしょ?」
『声はどっちともとれるんだよね、、、男かな、、、』とあいまいな答え。

微妙な人は確かにいる。しかし、ぼんやりしすぎじゃないの?と
どうでもいいことが気にかかる。
後日、結果を聞きに行くというので
「じゃ、今度は確かめてきてね」と、なぜか念を押す。
(昔、「お客さん、もてるでしょう?(いい男だからの意)」と
夜の街で拾ったタクシーの運転手さんに言われた私が気にするのもなんだが)

そして件の日
帰宅後、『たぶん男かな。うん、男だわ』といまいち投げやりな答え。

電話帳で名前を調べる。名前は男性に多そうだが女性にもなくはない名前で
判断つきかねる。
その後、自宅に病院より電話があった。その声は確かに男性と女性が共存している声。
あり得ない話だが、どうも先生が直接かけてきたようなのだ。
声だけでは確かに私にも区別はつかなかった。謎は深まる。
手強い。

そして、その後
確かめたいからというわけでもないのだが
私もその病院へ行くことに。

レントゲン撮影で、はじめての遭遇。見た目はかなり男性だ。しかし、声は優しく女性であってもおかしくはない。
年配になると性を越えた感じがでてくるし。
いや、しかし、どう考えても男性でしょ。
と、傾きかけていた私。

診察のためイスに腰掛け、先生の横顔を間近に見る。
「えっ?」先生の目の上にかかるのは弓形にかかれた眉だった。
いくらなんでも、男性が弓形の眉はかかないのでは?
と、瞬く間に私は混乱の中へ。

舞踏家?底知れぬ歴史(秘密?)を感じる白衣の人の元を
表向き何事もなかったようにあとにした私であった。

真実は次の機会を待つことになる。