2009年11月10日火曜日

シルクと格闘

格闘している時点で負けていると言えるのですが
ただいま私は日暮里繊維街で見つけてきたシルクで
あるものを作っているところなんです。

この同じドレスを作るのは4回目で、はじめてちゃんと型紙から作ってみました。
それまでは、小さいデザイン画の寸法を見ながら、じかに生地にしるしをつけ
ざっくりと裁断し、縫製してきたのですが、いつもおかしなことになっていたので
(たとえばAラインのはずが弓なりになっている)いよいよ型紙からおこしてみようと思いたったのです。

パターンをひく紙の捜索からはじめ、ようやく切り貼りして多少でこぼこの不格好な型紙を作り、生地にあわせました。
このシルクが悲しいかな軽くやわらかく(本来はいいのですが)二つに折っても思うように端が一直線に重ならないのです。
はじめて型紙を作って気づいたことは、直線の世界から始まるということです。一方、生地は波打ち有機的。
いつも動いていてとらえどころなく数字合わせが困難。しるしもつけにくいし、裁断も難しい。
しかも、私の指先は人生最大に荒れていてガサガサ。生地がひっかかり、その度にずれるのです。
最初のズレを最小限にしておかないと、どんどん後から取り返しがつかなくなるので焦ります。
まさに格闘(=負けている)。

そして、数日が経過

あそこをしくじり、ここをごまかし、これで間に合わせ、、、と、なんとか
完成させ期日までに間に合い、しかも意外に評判がよく満足しています。
四度目にしてはさほどの上達はなく、しかも細かいものが見えにくくなっているので
厳密な意味での完成度は低いかもしれません。型紙の効果は弓なりが直線に
近づいたという程度のものでした。つまり型紙を生かしきれていない、、、。
ただ、生地の持つ色、風合いが優雅な気配を演出してくれるのです。

こういったことにはーシルクでドレス(といっても裏地のついたふつうのドレスではなく、
生地を二つに折って真ん中に首が入る穴を開けた簡単なもの)を作るー
下手なだけに、完成までに学ぶ事は多いのです。映画出演もそういった学びはありましたが、
そこかしこに教訓が隠れているのです。不思議ですが、そんなことに気づく一連の手作りタイムです。

いつかその雰囲気を皆さんの前にチラリとでも見せられたらと思っていますよ。